性風俗の発祥を考察
日本の性風俗の発祥はいつ頃だったのかと思い調べてみたところ、古代日本の婚姻の仕組みについて少し理解しておく必要性を感じました。
奈良時代に墾田永年資材法が出来ました。耕した土地は自分の私有財産として持つことが出来るとういうものでした。この頃、男女の間では女性側の母親が男性を通わせたり、住まわせたりする力を持つ母系社会でした。この男女の婚姻の形が後に「婿取り婚」と呼ばれる形態になりました。
奈良時代に墾田永年資材法が出来ました。耕した土地は自分の私有財産として持つことが出来るとういうものでした。この頃、男女の間では女性側の母親が男性を通わせたり、住まわせたりする力を持つ母系社会でした。この男女の婚姻の形が後に「婿取り婚」と呼ばれる形態になりました。
私が性風俗発祥の鍵と踏んだ時代としてたどり着いたのは鎌倉時代です。
民が所有する農地が広大になってきますと「自分達の土地は自分達で守る」という考えのを持った、武装する有力な大農園主が現れてきました。武士のハリシですね。
このあたりから、時代の主役が「武士」となってきますが、これにあわせて婚姻の形も移り変わっていきます。
結婚したからといって、男性は自分の所有する守るべき土地を離れる訳にはいかないので、自然と女性が男性の家に入っていくようになります。
これまで男性が婚家に通う形態から変わり、男性主体となる住処が成立し始めてきました。そこに侍る(はべる)、女性としての性行為を前提とする新たな女性層が生まれました。「子孫繁栄のための性行為」から、「性行為そのものを特化する」という、大きな転機とも取れます。それまで続いていた母系社会の秩序が壊れ、自立する拠り所を失っていった女性が、生活のために性行為を行う「売春」が発祥したのは、この頃だったのではないでしょうか。
少し話は変わりますが、この「近代風俗体系」でテーマに取り上げている、現代の「風俗」に携わる「女性」は、よく一般的に「風俗嬢」と呼ばれますが、その呼び名の変化はあったのでしょうか。 よく聞くものでは、「娼婦」や、「遊女」、「花魁」といったところでしょうかね。
日本に古くからある言葉に「遊女」(あそび)という言葉があるようです。 更級日記にその言葉が確認できますので、平安時代中期にはその言葉はあったようです。 そもそもの意味は、芸能に従事する女性一般を指したものであり、現代における「遊女」(ゆうじょ)と聞いてイメージするような、売春を専業とする女性とは違ったようです。
中世日本(平氏政権設立~安土桃山時代)では傀儡女(くぐつめ)、白拍子(しらびょうし)、傾城(けいせい)、上臈(じょうろう)、などと呼ばれていたようです。
傀儡とは、平安時代以降、歌などにあわせて場わせる操り人形で、「かいらい」とも読むようです。また、それらを操る芸人さんもそう呼ばれていたそうです。
白拍子とは平安末期から鎌倉時代にかけて流行った歌舞。また、それを演じる芸人のこともそう呼ぶそうです。貴族の屋敷への出入りも多かったことから、見識の高い人も多かったようです。
傾城は、「絶世の美女」という意味もあるようです。
上臈は、「位の高い層」や「貴婦人」という意味もあるようです。
以上に挙げた言葉は、何となく高尚な感じがするのは私だけでしょうか。
中世以降になりますと、「女郎」(じょろう)、「遊君」(ゆうくん)、「娼妓」(しょうぎ)という呼ばれ方もしたようです。 「娼妓」と呼ばれる人には、歌をうたったり舞をまったりした人もいたようです。
江戸時代になりますと、吉原遊郭などで活躍した遊女(ゆうじょ)が「花魁」(おいらん)と呼ばれたようです。 江戸時代初期の町の湯屋で働く女性を「湯女」(ゆな)と言ったそうですが、当初は垢すりや髪すきのサービスだけだったのが、次第に飲食や音曲のサービスに加えて売春をするようになったため、やがて吉原遊郭のみに限定されたようです。 また、このあたりから、公に営業を認められた売春婦「公娼」が生まれ、相対して公認を受けなかった売春婦は「私娼」と呼ばれました。 この時代の宿場の「奉公人」(ほうこうにん)に「飯盛女」や「飯売女」と呼ばれる人がおり、その中には黙認されていた私娼が多く存在していたようです。
さらには、 今でも時々耳にする「たちんぼ」のような人は、京都や京阪地方あたりでは「辻君」(つじぎみ)や「惣嫁」(そうか・そうよめ)と呼ばれたそうです。 江戸辺りですと「夜鷹」(よたか)と呼ばれたようですが、こちらは時代劇や物語でも割と良く耳にする言葉でしょうかね。
ただ、現在の風俗店に勤務している「風俗嬢」と呼ばれる人は、法的に禁止されている売春はありません。
参考ページ
鎌倉、室町時代の婚姻の特徴。公家では伝統的に婿取り婚であった為、公家と武士の間での結婚では問題が生じた。
武士が生まれたころから、鎌倉幕府を作るまでのいきさつを、「荘園」(しょうえん)という昔の農村の移り変わりをとおして勉強します。