キラキラしている幸せや料理たち

実は、私はけっこう料理が好きですし、自信も無い方ではありません。
忙しい家で育ったこともあり、小学生の頃から家族の食事作りは私の役目。
畑から野菜を収穫してきては、冷蔵庫にあるものを使って色んな物を作りました。

パッとした食材が無いような時は、いつも決まって天ぷら。
採れたての野菜をからりとあげれば、それなりの料理になりました。
その天ぷらを卵でとじても、想像以上に美味しく頂けます。
シラスや桜エビなどを入れて、玉ねぎや人参、ゴボウなどを刻んでシンプルなかき揚げを作り、麺つゆにお砂糖を少し入れて煮て溶き卵で仕上げれば、笑えるくらい美味しいどんぶりができました。
決して豊かな食卓ではありませんでしたが、なかなか面白くて楽しい食卓だったような気がします。
そんな私ですから、今でも突然オリジナルなレシピを思いつき、作ってみることもあります。
でも、昔ほど料理に情熱があるわけではありません。
もちろん嫌いなわけではありませんが、たぶんもっと興味のあることを見つけたからだと思います。
でも、やっぱり食べることが大好きです。
一年に、何か一つは新しい物を食べようと思っている私。
それは、食欲と言うよりも好奇心から来ているような気がします。
世の中には、素敵なことや嬉しくなることがキラキラとたくさんあると信じています。
確かに悲しくなったり嫌になることもあるけれど、世の中は絶対にそれだけではないはず。
美味しい料理も、正にキラキラしているものの一つ。
そうやって、心地よいものを積極的に見つけるような生き方をしたいと私は思っているのです。

キスの天ぷら

釣りバカ日誌が書けるくらい夫は釣りが好きだ。
魚がかかった時のワクワク感と、釣れた魚を料理して食べるのがたまらなく好きらしい。
一昔前までは、釣りというとおじさんの趣味という感じがあったが、最近は釣りガールといって、若い女の子たちも釣りをしたりするので、夫は喜んでいる。

夫はなんとかわたしを釣りに連れて行こうと、可愛い釣りのウエアや専用の竿を買ってくれたりした。
初めて釣りをしたのは、小学生の頃。
家族で近くのフィッシングセンターに行った。
ちょうどサバの群れが入ってきていて、初めて釣りをしたというのに、クーラーボックスいっぱいになるほど釣れた。
単純に、たくさん釣れるのは楽しかった。
魚がかかった時のピクピクという手ごたえがやみつきになって、その後も何度か行った。ちょうど時合を逃してしまうと、まったく釣れない時もあった。
その後わたしは高校生になり、釣りに行かなくなった。
夫に連れていかれ、久しぶりに釣りをした。
真夏の砂浜で、初めてのキス釣りに挑戦した。
白い砂浜に透明な海!
日本海側のきれいな海岸だった。
その水の色をうつすように、キスも透明でとてもきれいな魚だった。
砂浜から遠くに仕掛けを投げ入れるのが難しい。
それでも、5匹くらい釣れた。
新鮮なうちに、近くの公園で天ぷらにして食べた。
美味しい!
料亭では味わえないような新鮮な味だった。
まんまと夫の作戦にのせられた。
それからちょくちょく、夫婦で釣りに行っている。

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