尊敬すべきゆとり女子
ゆとり教育で育った世代、いわゆるゆとり世代。
ひとくくりにそう言われるのが嫌だ!という同僚がいます。
彼女はUちゃんといって、とても真面目で頑張り屋な優等生タイプ。
仕事場でもみんなに頼りにされていました。
ある時、新入社員として若い男の子、S君が入社してきました。
Uちゃんは年が近いこともありS君の指導係に任命され、優しく丁寧に、時には厳しくS君に業務を教えます。
S君は時々ミスをしながらも、ゆっくりとではありますが業務を覚えていきました。
そして3ヶ月ほど経ったある日、S君がぱったり会社に来なくなったのです。
欠勤の連絡なども何もなし。
優しいUちゃんは「S君どうしたのかな?具合でも悪いのかな?」と心配していました。
S君が来なくなって3日後、上司から驚きの事実を伝えられました。
S君からメールで辞表が送られてきたとのこと。
社員一同、うすうす予想はしていましたが、あまりの常識のなさに開いた口がふさがりません。
100歩譲って電話ならまだしも、メールって・・・。
特にUちゃんはS君の指導係として手取り足取り教えていましたから、ショックだったと思います。
「こういう人がいるから、私たちがゆとり世代って言われるんだよ・・・悔しい」と、あのおとなしくて真面目なMちゃんが、本当に悔しそうにつぶやきました。
S君にも何か事情があったのかもしれません。
でも、Uちゃんの気持ちを考えるといたたまれないですよね。
ゆとり世代でも、Uちゃんのように責任感を持って真剣に仕事に取り組んでいる人もいるのです。
尊敬すべきゆとり女子です。
ゆとり教育、ゆとり世代って悪いイメージで使われがちですが、本来の言葉の意味をもう少しよく考えるべきかもしれません。