2002年新卒での就職

私が大学を卒業した年は2002年3月。
学生当時、目指していた業界は旅行業界。
英語学科を専攻しておりましたが、自由に選択できる大学講義の中でも特にツアーコンダクターを長年経験された方の授業を受けるのが楽しみでした。

また、夏休みなどでは大学が外部講師を招いての国家資格「旅行業務取扱主任者」の講義を受講したり、将来は旅行業に携わることを夢見て勉強も進めていました。
しかし、丁度2001年の9.11同時多発テロ事件が起き、日本ではこれを境に一気に国内旅行の需要が高まり、海外旅行にでかける旅行客の足が遠のいてしまいました。
その結果、2002年の新卒を旅行会社が採用しないという社会現象が起きてしまい、さらに追い討ちをかけるように「就職氷河期」という文字が新聞、報道機関で一人歩きしていたのをよく覚えています。
世の中はフリーターが増え続け、新卒で採用されないおかしな現象になりつつありました。
まさに、私もその真っ只中にいた一人です。
経費や無駄なコストを削減するために、「リストラ」、「早期退職希望」といった言葉もよく耳にした年でした。
それから正社員ではなく、「派遣社員」という職種スタイルを選択する企業も現れだしたのは、丁度この頃です。
新卒で、就職氷河期時代に、何の社会経験もない多くの女子学生は、「とりあえず」の事務職に就くしか選択肢は残されていませんでした。
就職してから3~4年経つと、周りに少しずつ変化が見え始め、同時期に卒業した友人が転職をし始めました。
転職を可能にした世の中の流れとは2007年から2009年にかけて「団塊世代の退職」で、今まで狭き門であった職業、職種に募集がかけられるようになったことです。
「就職氷河期」を経験した多くの友人たちは、社会経験を身に着けて、自分の希望の職業へと転職していきました。
もちろん、私もその波に乗り、希望の職業に就くことができました。
就職活動をしていた時代の2001年~2002年は、10年後には夫や子供、家族に恵まれ幸せに生活している自分の姿を想像できませんでした。
これから先のまた10年後が楽しみです。

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